「なぜ保育園や幼稚園は一生懸命に選ぶのに、小学校は“学区の小学校に行く”のが当たり前なんだろう?」
娘の小学校入学が近づいた頃、ふとそんな疑問が頭をよぎりました。
保育園・幼稚園のときには、通いやすさだけでなく、方針や先生との相性、園児の雰囲気まで調べ尽くして選んだのに、なぜ小学校だけは「選ばない」ことが当然とされるのでしょうか?
それが、わが家の小学校受験の出発点でした。
1. 公立で育った私が、小学校受験を考えた理由
私は地方で育ち、公立小学校に通っていました。中学も公立、初めての受験は高校受験。
それが“普通”だったし、周囲の誰も、小学校を選ぶという発想を持っていませんでした。
もし今も地元に住んでいたら、きっと娘も迷わず地元の公立小学校に通わせていたと思います。
それ以外の選択肢がそもそも見えていなかったからです。
でも、今私たちが住んでいるのは東京都。
そこでは、小学校の選択肢が大きく広がっていたのです。
2. “学区の公立小”が当たり前。でも…本当にそれでいいの?
東京都内では、公立以外に以下のような選択肢があります:
- 国立小学校(学芸大附属、筑波大附属、御茶ノ水など)/都立小学校(立川国際)
- 私立小学校(早稲田実業、慶應義塾、雙葉、暁星など)
- インターナショナルスクール
実際、全国平均では約2%の子どもしか公立以外の小学校に通っていませんが、東京都ではその割合が約5%、つまり20人に1人の子が私立や国立の小学校に通っているのです。
選べる環境にいるのなら、本当に娘にとって最適な学校はどこなのか?を一度立ち止まって考えてみたくなりました。
3. 6年間の“環境”が子どもをつくる
「小学校の6年間」というのは、意外と見過ごされがちです。
でもよく考えると、小学生の6年間って、大学の4年間より長いんですよね。
この6年間で子どもたちは、
- 社会性を身につけ
- 価値観の土台を築き
- 自分自身の興味関心を見つけていく
という、まさに人格形成の核心期を過ごします。
たとえば、もしこの6年間を海外で過ごしたら?
現地の言語が自然に身につくでしょうし、文化や価値観もガラリと変わります。
スポーツや音楽を6年間続けたら、プロレベルに達する子もいます。
それだけの時間を過ごす場所――つまり「学校」という環境を軽視していいはずがないと、私は思うようになったのです。
実際、Webに掲載された小学校受験に関する記事でも、次のような記述がありました:
「(小学校)6年間をどのように過ごさせたいかという視点を持っている家庭こそ、小学校受験に向いている家庭の特徴」(『小学校受験は戦略が9割』著者 狼侍さん)
まさに、我が家もその視点を持っていました。
「学力のため」ではなく、「どのように過ごしたいか」=「環境」
「環境を整えてあげたい」――それが、わが家の小学校受験の原点です。
4. 私が娘に贈りたかったのは「学校という環境」だった
子どもが1日の中でいちばん長く過ごす場所はどこでしょうか?
それは、家庭と学校です。
特に小学生にとっては、学校で過ごす時間はとても長く、密度も高い。
だからこそ、学校という“環境”が子どもに与える影響は計り知れません。
私は、娘キララちゃんがどんな友達と出会い、どんな先生に見守られ、どんな校風の中で学んでいくかが、その後の人生にも大きく影響すると感じていました。
できる限り、娘が心地よく過ごせる場所を用意したい。
そして、安心できる人間関係の中で、自分らしさを発揮してのびのび育ってほしい。
それが、私が娘に贈りたかった「学校という環境」でした。
5. 年長7月、運命の出会いがすべてを変えた
元々は国立小学校と都立小学校だけ受験しようと思っていました。
正義感が強く、真面目なキララちゃんにとって、考査に合格した子しか入れない小学校は魅力的だったからです。
しかし、娘が年長の7月、
難関私立の小学校受験を意識するには、かなり遅いスタートでしたが――
「キララちゃんにぴったりの学校があるのかもしれない」
そう思って調べ始めたとき、とある私立小学校に強く惹かれました。
- 学校紹介
- 校訓
- 校長先生の言葉
- 制服や校舎の雰囲気まで
すべてにおいて「ここならキララちゃんが幸せに過ごせそう」と思えたのです。
直感ではありましたが、母としての感覚が、そこに確信をもたせてくれました。
そしてその学校を、わが家の第一志望に決めることになります。
6. 第一志望を見つけて、ようやく始まった我が家の小学校受験
第一志望が決まってから、わが家の小学校受験が本格的にスタートしました。
それまでは、まさか私立を受けることになるとは思ってもいなかったので、何も準備していなかったのです。
- 小学校受験のしくみ
- 学費や入学後の費用
- 願書や面接対策
- 試験内容(ペーパー・行動観察・口頭試問)
調べること・やることは山ほどあり、気づけば受験まであと数ヶ月しかないという状況。
「こんなに準備不足で間に合うの…?」
不安を抱えながらも、“娘のためにできる限りのことをしよう”という一心で、怒涛の日々が始まりました。
7. 小学校受験を決める前に考えたい3つのこと
小学校受験を検討している方に、私が実際に経験して感じた「事前に考えておきたいこと」を3つお伝えします:
① なぜ小学校受験をしたいのか?
明確な理由がないと、途中でブレてしまいます。
「我が子にとってベストな環境はどこか?」という視点で考えてみてください。
② 家族の協力体制は整っているか?
特に短期決戦の場合、親のサポートは必須です。
夫婦間の理解、スケジュール調整、祖父母など親族のサポートなども含めて確認しておくと安心です。
③ 受験後の学校生活まで想像できているか?
合格はゴールではなくスタートです。
通学や生活リズム、校風への適応など、入学後を見据えた選択が重要です。
8. まとめ:親の「想い」から始まった小学校受験
最初は「なんとなく気になった」小学校受験。
でも調べていくうちに、“環境”の大切さに気づき、
そして「娘に幸せな6年間を贈りたい」という想いが、私たちを突き動かしました。
確かに、学費や準備の負担、入学後の生活など、ハードルはあります。
それでも、娘が笑顔で過ごせる場所を選んでよかったと、今では心から思えます。
誰にでも向いているわけではないけれど、
「本当にこの子に合う場所を探したい」と思っているご家庭には、小学校受験は一つの大切な選択肢になりうると今では実感しています。
我が家は悩み、迷い、もがきながらも挑戦し、最終的には第一志望の私立小学校にも国立小学校にも合格をいただくことができました。
その経験を通じて得た気づきや学びを、
同じようにお子さんの進路を考えているご家庭に役立ててもらえたら――
そんな思いでこのブログを立ち上げました。
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