はじめに ー「夏を制する者が受験を制す」は本当だった!
小学校受験を控えるご家庭にとって、年長の夏は“最後のゴールデンタイム”。
「夏を制する者が受験を制す」とよく言われますが、それにはしっかりとした理由があります。
子どもの脳の発達、心の成長、集中力・体力の向上など、夏はさまざまな面で飛躍が期待できる時期。
そして秋以降は模試や過去問演習、直前対策などに時間が割かれ、基礎固めに使える時間はぐっと減ります。
「やるなら今」──それが、年長の夏なのです。
年長の夏休みは“最大の伸びしろ”があるとき
脳も体もグンと成長。今こそ差がつくタイミング!
年長の夏は、体力・集中力ともに伸びやすい時期で、周囲の子も本気で頑張る時期。
この時期に集中して頑張れるか、暑さでだれてしまったり意欲が低下してしまうかといった、“学習の質の差”が目に見えて出やすい時期でもあります。
秋以降は模試や直前講習が本格化し、「基礎の取りこぼし」を補う時間がなくなってきます。
だからこそ、夏こそが“基礎固めのラストチャンス”なのです。
我が家の学習法:自宅?幼児教室?両方の“いいとこ取り”
幼児教室のフル活用:8月からの巻き返し
わが家が幼児教室に本格的に通い始めたのは年長8月。少し出遅れた感はありましたが…
- 出られる夏期講習はすべて参加
- ペーパー対策も行動観察も全て網羅
- 教材類は可能な限り購入して自宅で復習
という形で、短期間でのキャッチアップを図りました。
自宅学習:朝時間とスキマ時間のフル活用
保育園に通っていたので、朝学習→登園→お迎え後に復習 or お教室というリズムで進めました。
- 朝は短時間(10〜15分程度)でもペーパー演習
- 夕方は遊びの前後で復習
- お風呂タイムには口頭確認
- 就寝前にベッドで絵本やお話問題
など、生活の中に「ちょっとずつ」学習をとりいれる工夫をしました。
親の声かけがすべてのベースになる
どんな学習法でも、子どもが伸びるかどうかは、親の関わり方次第です。
NGな声かけはたとえば… :
- 「どうしてできないの?」
- 「お友達はもっと頑張ってるよ」
- 「なんで間違えるの?」
こうした言葉は、自己肯定感を下げ、意欲を削いでしまう原因に。
我が家の声かけ術(OK例):
- 「〇〇を頑張っていたから、得意になってきたね!」
- 「昨日間違えたところ、今日はしっかりできたね」
- 「この問題、引っかかりやすいけどちゃんと聞けてすごい!」
“できるようになったこと”や“取り組む姿勢”を認める声かけは、子どもを前向きに伸ばす原動力になります。
苦手の克服こそ“夏の最大テーマ”
苦手のあぶり出し方
- 模試の結果
- 教室での様子
- 自宅学習中のつまずき
こうした“見えてきた苦手”をリストアップして、夏の学習内容は「苦手対策」に全振りしました。
苦手を放置するとどうなる?
秋以降は過去問演習がメインになります。苦手をそのままにすると…
- 模試で点数が安定しない
- 自信をなくしてしまう
- 親子ともに焦る
という悪循環に。
苦手分野を“得意”に変えた方法と声かけ
我が家は、幼児教室や過去問から「なんとなく不安」「苦手かも」と感じた分野を繰り返し演習。
特化した問題を「何周も何周も」、スラスラできるまで繰り返す。
そして、できるようになった瞬間にはすかさずこう声をかけました:
- 「前は苦手だったけど、たくさん頑張ったからできるようになったね」
- 「こんなに自信を持って解けるようになってすごい!」
- 「この問題、時間内にできたのは集中したからだね!」
努力の成果を言語化して伝えることで、子ども自身が「やればできる」と実感し、自信に変えることができました。
🔊 親の声かけは“やる気”を左右する!NG・OK声かけ比較表
NGな声かけ | OKな声かけ(変換例) | 補足のポイント |
---|---|---|
「どうしてこんな問題もできないの?」 | 「この問題、ちょっと難しかったね。でもここまで解けたのはすごい!」 | できた部分にフォーカスして自信を守る |
「お友達はもっとできてるよ」 | 「前よりも集中して取り組めるようになったね」 | 他人と比較ではなく、過去の自分と比較する |
「何度言ったら分かるの?」 | 「今日はここを覚えてたね!少しずつできることが増えてきたよ」 | “積み重ね”を言葉で実感させる |
「そんなことじゃ受からないよ」 | 「この問題、前は苦手だったけど、だいぶ得意になってきたね!」 | 成果や変化を言葉で可視化する |
「また間違えたの?」 | 「間違えたところ、ちゃんと気づけたのがえらいね」 | 失敗を“学び”として受け止めさせる |
✨ こんなとき、どう言えばいい?親の声かけTips
✅ 苦手な問題に取り組めたとき
NG:「間違えたらどうするの?」
OK:「この問題に挑戦したこと自体がすごいよ!」
✅ つい焦ってしまったとき
NG:「時間がないんだから、早くして!」
OK:「ゆっくりでも、ていねいにやったほうが結果につながるよ」
✅ 成長を感じたとき
NG:(特に言わない…)
OK:「昨日できなかったところが、今日はスラスラできてるね。すごい成長だね!」
こうした言葉がけは、子どもの自信・意欲・安心感につながります。
「できるようになったね」の積み重ねが、夏の大きな実りに変わっていきます。
メンタル管理:リフレッシュも“計画的”に!
「遊び」や「ごほうび」は戦略的に入れる
頑張り続けるには心の栄養も必要です。
- イベントや映画はちゃんと連れていく
- アイスやおやつをごほうびに
- 「〇〇が終わったら公園に行こうね」などの小さな約束
「やるときはやる、休むときは休む」を家族全体で共有し、笑顔の夏を目指しました。
キララちゃんも好きだったプリキュアのイベントや、クレヨンしんちゃんの映画などを予定して、
「いついつまでがんばったら、○○(イベント、映画など)に行けるよ」とただひたすら頑張り続けるのではなく、楽しみもある状態にしました。
ここでも、リフレッシュ後には「切り替えて集中できたね」「また頑張れそうだね」と前向きな言葉がけを意識していました。
我が家のスケジュールと“夏の成果”
実際の1日の流れ(平日)
- 朝:できれば1時間ほど、忙しい日でも短時間(15分ほど)ペーパー(復習や弱点克服)
- 登園
- 保育園でも遊びの時間を使って学習(お花の図鑑や昔話をみたり、折り紙を切って展開図を考えたりブロックを積み上げて四方観察したりと、園生活の中でもできることをやっていました)
- 夏期講習(幼児教室)の日はお迎え後にお教室へ
- 教室のない日は、夕飯前後に1時間前後学習
- お風呂やベッドでも軽く復習・口頭チェック
夏で「できるようになったこと」
- 一日の中でも無駄なく、とにかく目標に向かって努力する姿勢を手に入れた
- 志望校の頻出問題が明確化され、何が苦手で、何が得意かわかった
- 苦手だった問題(つり合い、図形問題など)をしっかり復習して満点も取れるように
- 制限時間内に集中してペーパーを解けるように
- 「やるときはやる、休む時は休む」のメリハリがつかめた
- 「やればやったぶんだけできるようになる」の自信がついた
夏のビフォーアフターを感じられるほど、目に見える変化がありました。
このとき、キララちゃん自身も、「目標をもって、それに向かって頑張れば頑張るほど成長につながるし、自信になる」と思えたことは、今後のキララちゃんの軸となるような貴重な体験でした。
夏の過ごし方で合否が変わる!焦らず着実に“伸ばす”夏へ
夏休みは、頑張りすぎても、サボりすぎてもNG。
でも後悔しない程度にお子さんなりに頑張れたことは自身につながります。
子どもに合ったペースで、「やってよかった」と思える夏にすることが最も大切です。
- 苦手の克服
- 習慣化された学習リズム
- メンタルの安定
- 自信の芽生え
- そして親の前向きな声かけ
これらは、秋以降のラストスパートに大きく効いてきます。
焦らず、でも止まらず。親子で笑いながら、“伸びる夏”を過ごしましょう!
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